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みなさん、「ボトックス」と聞いてどんなことをイメージしますか?ボトックスといえばボトックス注射=しわを伸ばす効果がある、というのは多くの人に知られています。

しかし、それ以外の効果については知らない人も多く、「注射」のイメージから、怖い、心配、痛いなどマイナスなイメージを持つ人もいるのではないでしょうか。

 

実は、ボトックスは様々な施術に使われ、効果を引き出しているのです。そこで、そもそもボトックスとは何なのか、「しわ」以外にどんな効果があるのか詳しく解説していきます。

 

 

ボトックスは毒素のことなの?

ボトックスに使われているのはボツリヌス毒素の一つになります。

食中毒の原因菌となるボツリヌス毒素から精製されたボツリヌストキシンと呼ばれるタンパク質を薬用に加工したものをボトックス注射に使います。「毒」と言われると不安に感じるかもしれませんが、ボツリヌス菌そのものを体内に注入するわけではありませんし、毒性のない薬剤を使うので必要以上に心配することはありません。

これを、しわを作っている筋肉に注射すると筋肉が過剰に収縮するのを抑えることができ、しわの改善などの効果があるということです。

 

 

ボツリヌス毒素ってなに

ボツリヌス毒素はボツリヌス菌が産生する毒素のことです。

食中毒の原因となり、毒性はとても強く危険ですが、加熱するかアルカリでの処理を行えば毒性は消えてしまうため安全です。毒素の抗原性の違いからA~G型の7型に分類されています。

 

しわ改善のためのボトックス注射で注入する際は濃度もとても薄く、量も致死量の100分の1以下であるため命にかかわることはありません。

正しい使用方法で用いれば、体に及ぼす影響はなく副作用によるアレルギーもほとんどありません。美容治療の目的で約70カ国で使用されている、最近では人気の施術方法です。

 

 

ボツリヌス毒素の効果は

ボツリヌス毒素は神経からの伝達を邪魔する作用があるため、ボトックス注射された部位の筋肉をゆるめる効果があります。

このはたらきを利用して、過度な緊張により固くなった筋肉をゆるませ、しわを改善したり、関節を動かしやすくしたり、日常生活で障害となっている症状を改善することができるのです。

 

 

どんな治療に使われているの

ボトックスといえばしわ取りのイメージが大きいですが、それ以外にどんな治療にボトックスが使われているのでしょうか。

実はしわ取り以外にもたくさんの治療にボトックスが使われているのです。美容の面と病気の面でそれぞれどんな治療に使われているか、次のところで触れていきます。

 

 

美容に

・しわ治療

筋肉の動きを抑制することで表情じわをできにくくすることができます。定期的に継続治療を行えば、いつまでもしわのできにくい肌を維持することができます。目尻やほうれい線だけでなく眉間のしわやおでこのしわなど様々なしわに効果があります。

 

・小顔治療

咬筋が発達しすぎてエラが張っている場合はボトックス注射をすれば咬筋がゆるみ、すっきりとした細いフェイスラインにすることができます。繰り返しボトックス注射をすれば効果の持続時間も延び、咬筋が徐々に小さくなっていきます。しかし、骨自体が突き出ている「エラ張り」の場合は効果がありません。

 

・リフトアップ治療

ボトックスのはたらきにより、毛穴を引き締めることができ、それによってフェイスラインのリフトアップや気になる目元・口角のリフトアップにも効果的です。

 

・わきが、わき汗治療

ボトックスによるわき汗治療は、わきがの原因にもなる汗の分泌を大幅に抑えることができます。わきがやわき汗に悩む人は多く、夏前になると治療に訪れる人の数が増える傾向にあります。治療自体の時間は大変短く、細い針で注射するだけなので15分ほどで終わってしまいます。

 

・足痩せ治療

スポーツをやっていた人などは、足に筋肉量が多いため逞しく残ったふくらはぎが気になるという方もいるでしょう。ふくらはぎの筋肉にボトックス注射をすると、脚の筋肉が徐々に少なくなり結果的に足が細くなるというわけです。

 

 

病気の治療に

・上肢、下肢のつっぱり治療

脳卒中の後遺症として、手足の麻痺が残ることがよくあります。麻痺だけではなく、肘が曲がったまま固まってしまったり、手指が握ったままの状態になったり、足がつっぱるといった症状が出ることもあります。

このように固まってしまった筋肉にボトックスを注入して治療する方法があります。薬の量には制限があるため、ピンポイントで症状の出ている筋肉に注射します。改善が見られれば繰り返し注射をしていきます。しかし、薬の効果が持続するのは数か月であるため、時間が経ってしまうと元通りになってしまうので、医師の相談が必要です。

 

・片側顔面けいれん治療

顔の片側の筋肉がぴくぴくとけいれんし続けてしまう病気です。症状が進むと、顔がゆがんだり、ひきつったりといった自覚症状が現れます。

治療の一つとしてボトックス治療が挙げられます。けいれんを起こす筋肉にボトックス注射を行えば早くて数日で効果が現れますが、徐々に効果が薄れていくため繰り返し注射を受ける必要があります。

 

 

このようにボトックスは美容の面でも病気の治療の面でも有効な治療法だといえます。しかし、ボトックスにもやはりメリットデメリットがあるため、医師の診察を受けて納得したうえで治療することが大切です。