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筋肉が発達しているためにエラ部分が張って見える。医療機関でそのように診断された方のための「ボトックス注射」という方法があります。

形成外科および美容外科においては、「ボツリヌストキシン注射」と呼ばれていることもあります。

 

ボトックス注射に使用されているのはボツリヌス菌の抽出液です。

ボツリヌス菌といえば食中毒で知られる細菌ですが、美容外科で使用するボトックス注射の成分には、人体に害のある成分を除いておりますので安全です。

「エラボトックス注射」とは、その名のとおりエラ部分を治療するボトックス注射のことで、ボツリヌス菌から抽出した成分を筋肉に注射することで、筋肉の動きを止めます。

 

ボトックス注射自体は、おでこのシワや首の横ジワ、またガミースマイルといって、笑った時に歯茎が出てしまう方たちへのシワ治療として、幅広く利用されている治療法です。

 

広く普及しているボトックス注射ですが、どれくらいの間、効果があるのでしょうか。

 

 

エラボトックスで小顔に

どこにどれだけ注射するの

一般的に、形成外科・美容外科におけるカウンセリングによってボトックス注射が最適の治療かどうかを確認します。

筋肉の発達が確認できたら、治療後の見た目がどのように変化するのかをコンピュータシミュレーションしてくれます。

患者さん自ら、なりたいフェイスラインを先生と確認した後、安心して治療に望むことができます。

 

口の周りには「咬筋(こうきん)」という、食べ物を噛むときに口を開け閉めするための筋肉があります。

エラボトックス治療では、これに直接注射することで筋肉を細くし、結果フェイスラインをほっそり見せる治療を施します。

 

 

なお、一度の治療で半永久的に効果が持続するわけではありません。

4ヶ月ほどは効果が持続しますが、一般的に3ヶ月後には2回目のエラボトックス注射を打つことが多いです。

 

1回の注射から1〜2週間ほどでフェイスラインがスッキリとしてきます。

 

 

エラボトックスが効果のある人、ない人

エラが張って見える原因は咬筋の張り、脂肪の溜まり、骨格の張りと、大きく3つあります。

エラボトックス治療は、咬筋の張りが原因でエラが張っていると診断された方にとって効果的な治療法なのです。

 

一方で、脂肪の膨らみが原因の方は脂肪溶解注射の「メソセラピー注射」または脂肪分解注射として最近登場した「BNLS注射」が有効です。

また、骨の張りが原因の方は、エラの骨を削る治療を施します。

 

美容外科を受診する前に下調べをしたとはいえ、自分がどれに当てはまるのかは、実際にカウンセリングしてみないと明確に分からないところです。

エラボトックス治療に関わらず、上記の治療法を行う前は、治療後のなりたい理想のフェイスラインに関して、あらかじめ先生とシミュレーションを行い共有することができますので、安心して下さいね。

 

 

小顔以外に期待できる効果は

歯ぎしり

歯ぎしりを癖がある方は咬筋が発達している可能性がありますので、エラボトックス治療によって筋力が弱まり、歯ぎしり改善が期待できます。

 

最近では、歯科医でもオーラルケアの一環として歯のトラブルや噛みあわせの治療に注力している医療機関が増えつつあり、ボトックス注射を取り入れていることがあります。

 

歯ぎしりによって歯が痛む、顎のだるさが続く、表情が強張るといった症状が気になる方は、美容外科の他にもボトックス注射を行う歯科医を受診されると、納得のいく治療法が見つかるかもしれませんよ。

歯ぎしりは顎関節症を引き起こしかねません。

顎や歯周組織に影響を及ぼす前の予防として、従来の方法としてはマウスピースをして寝る治療がありましたが、近年はボトックス注射で治療する方も多くなっています。

 

しかしながら、歯ぎしりの原因が上の歯と下の歯の噛み合わせによるものであったり、歯ぎしりのしすぎで顎関節症を発症している方は、エラボトックス治療では治療緩和への期待はできませんので、別の治療を行う必要があります。

 

 

頭痛

眉間の筋肉にボトックス注射を打つことで片頭痛が緩和されることがわかっています。

このことに着目した脳神経外科では、ひどい片頭痛をお持ちの方を対象にしたボトックス注射を受けることができます。

現状は、あくまで予防治療の観点で取り扱われていることが多く、自由診療の範囲ですので、保険適用にはなりませんが、脳神経外科におけるボトックス注射の取り扱いも増えてきています。

もし、頭痛薬でも治らず、従来受診してきた治療法では改善されない時は、ボトックス治療を検討するのも一つの方法でしょう。

 

一方で、頭痛が悪化する方もいらっしゃいますので、信頼できる医療機関で治療されることをお奨めします。

 

眉間のボトックス注射が失敗した時は、眉間のシワが気にならなくなる一方で、怒り眉になったり、眉間の周りの筋肉が動かしにくくなり表情が固くなる可能性があります。

どの医療にも共通することではありますが、メリットとデメリットをきちんと把握した上で臨みましょう。

自由診療の場合、最終的には自己責任ということを忘れないで下さいね。