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うつ病ってどういう状態のことをいうの?

非定型うつ、メランコリー型うつなど色んな名前のうつ病がありますが、ここでは基本の抑うつ状態とうつ病の違いに焦点を当てて、治療法などもご紹介していきます。

抑うつとうつ病の違い

嫌なことがあって、気分が落ち込んだ時、やる気が出ない時。それは、日常でよくある頭痛や腹痛などと同じように一時的なものです。これが「抑うつ状態」と呼ばれるものです。

では、この抑うつ状態が続くとどうなるでしょうか。例えば、頭痛や腹痛が続いて体調が悪い、ついには喉も痛くなってきて咳が出て、熱が出て風邪を引きました。

これと同じで、気分の落ち込み、やる気が出ない、何もしてないのに体がだるい、不安で眠れないなどの抑うつ状態が2週間以上続くと、「心の風邪」という「うつ病」という名がつきます。

 

一般的な治療法

色んな治療法が最近ではありますが、ここでは3つご紹介します。別々に紹介しますが、本気で悩んでいるのであれば、全ての治療法を同時進行で治療を受けることも良いかもしれません。

 

1、認知行動療法

最近、注目を集めているうつ病に効く認知行動療法です。うつ病というのは「心の風邪」ですね。

例えば、体が弱くて年中風邪を引きっぱなしの病弱な人がいるように、うつ病も何をしても治らなかったり、治っても繰り返し繰り返し発症することがよくあります。これをうつ病の負のスパイラルと呼びます。

この負のスパイラルの根本はやはり思考パターンの問題なのです。それは育った環境にもよりますが、うつ病の人は、物事を否定的に考えてしまう傾向があります。それってとてもネガティブな思考パターンができているということですよね。物の見方や考え方の偏りを修正するのが、認知行動療法ということです。

うつ病の人に限らず、こんな事を言われると落ち込む、あの状況になるともうダメ、あの人がとにかく苦手など、自分が究極に抑うつ状態になってしまうシチュエーションが誰しもあるはずです。

普通の人は克服できても、うつ病の人はこの状態になるともうアウトなのです。

 

それで認知行動療法では、そのシチュエーションになった時の何が、なぜ、どうしてを書きだして考察してポジティブな思考パターンに修正して、また同じシチュエーションでつまずかないように訓練する治療方法なのです。

しかし、何十年間も頭と体に染み付いた思考と行動パターンを正すのは簡単ではありません。頭でこうすれば良いのか!と正解がわかっても、いざ、また同じシチュエーションに直面すると上手く行かないのです。

でも正解という出口が見えているのであれば、暗い途方もないトンネルから抜け出せる日は近いということです。

 

 

2、臨床心理士(スクールカウンセラー、心理カウンセラー、相談員)

日本人の4人に1人が抑うつ状態を経験したことがあると言われています。

最近では、学校や会社に臨床心理士(スクールカウンセラーや相談員など場所によって呼び名が変わります。)がいるのが当たり前になっていますね。でも一体どれだけの人が利用しているでしょうか。

恥ずかしいとか、気合が足らないだけとか、うつ病になる人は真面目で、自分にとても厳しい人が多いです。でも、もし心に少しでも引っかかることがあるのならば、カウンセリングヘ行ってみてください。

利用できるものは利用するべきです。もし、その臨床心理士に少しでも不快感を感じるのであれば、戻らなければいいのです。そして、自分にあった臨床心理士を探してみてください。

良い臨床心理士は良い質問をしてくれて、目を見てとてもよく話を聞いてくれるはずです。良い臨床心理士との対話後は不思議と心がスッキリしていることに気づくはずです。

 

 

3、薬物療法

風邪薬を飲んで風邪を治すのと同じで、「心の風邪」に効く薬を飲んで心の風邪を治すのです。抗うつ薬と聞くと抵抗があるかもしれませんが、風邪をこじらせないためにも、飲まなければいけない状況の方は飲まなければ治らないのです。ずっと飲み続けるわけではありません。

心の風邪が治って気分が晴れれば医師に相談して薬をだんだん減らしていって辞めればいいのです。抗うつ薬は、色んな種類があり、あなたの心の風邪の程度と状況によって、医師と相談して決めます。

その際に医師に頼りっぱなしではなく、事前に自分でも必ず抗うつ薬について調べてから行きましょう。薬によっては副作用があります。

ボトックスがうつ病に効く?

うつ病で長年苦しんでいる人からしては、うつ病なめるな!っと怒られそうな話ですが、気休め程度の効果はありそうですので、ご紹介します。

筋肉を落とすことでリラックス?

うつ病という心の風邪にかかると、感情表現ができなくなります。

笑ったり、怒ったり、もう感情表現すら億劫でできなくなってしまうのです。

心がいっぱいいっぱいなので当たり前ですよね。運動しないと肩こりがひどくなって行くのと同じように、顔の筋肉を使わないでいると顔がこわばってきてしまいます。

顔の感情表現と脳は繋がっていて、笑顔を無理やりするだけで脳内には幸せ物質セロトニンが分泌されると言われています。しかし、うつ病の人にとって笑うというのは、とてもとても大変なことなのです。

さらに硬くなった表情筋を動かすのも一苦労なはずです。そこで、ボトックス注射を打つと、ゴワゴワに硬くなっていた筋肉が弱まり、顔の緊張がほぐれて、リラックスさらにセロトニンが脳内に分泌されるので、気分がやや良くなるというわけです。

 

シワが消えると表情が明るくなる?

うつ病の人は不安感が強く、眉間にシワを寄せがちですが、そんな顔を鏡で毎日見たら気分はさらに落ちていってしまいますよね。そこでボトックス注射でシワを改善して、鏡を見ると、脳が笑顔になったと錯覚してセロトニンを分泌して、気分がやや良くなるということです。

うつ病の人が自分で動いてボトックス注射を受けにいくというのは、無理がありますが、抑うつ状態で少しだけでも余裕があって行動できる時に、気休め程度ですが、試してみても良いかもしれませんね。